今年冒頭にコンフォートゾーンと心理的安全性の話を書いたが、組織という器でも同じだよなあと思っている。
ちょっとサービスが当たって主力事業ができたとか拡大期になって採用ブランディングが重要になったとかで従業員満足度の最大化に走った姿はけっこう見てきている。ソシャゲは利益率高かったしね。
キレイなオフィスを内装し手厚い福利厚生やイベントたくさんの楽しい会社ですと喧伝して採用で大人気になる。エンジニア天国ですとブランドになるのもちょこちょこある。専門職をやっていると本当に心理的安全性の存在は重要なので当然だ。集中力によってまったくアウトプットのクオリティが変わるからだ。
しかし、従業員満足度の最大化に振って長続きしたところはあんまり無いよなあと直感的に思う。モラルハザードなのかall for oneの焦点がボヤけて力が拡散してしまうのか、それとも内在要因ではなく単に外部環境が主力事業にネガティブな方向に変化したからか。失敗原因はそれこそ100社あれば100通りだろうが。
法人の意義をどこに置くかで昔からピンと来てないことがいくつかある。雇用を創出し株主に還元し法人税を収めることで社会貢献することが法人の意義であるという考え方だ。時価総額いくらの企業を作りますとか100年続く企業を作りますとか。また、株主満足度なのか顧客満足度なのか従業員満足度なのかということもどれも第一目的になると思えない。(株式会社である以上は株主価値の最大化以外に何があるのかというならば、なぜamazonという存在があるのか)
法人は事業開発のための器ですという考え方がピタっとくる。今までできなかった富を生んで今までできなかったことをできるようにしたから、結果的に顧客に支持され雇用を創出し株主に還元され多額の納税が行われ社会貢献になるでしょう。
そのためには、組織としても心理的安全性とラーニングゾーンを両立した評価制度が重要だなと思う。能力や成果だけでなく、エゴの大きさや法人の目的への共鳴度も重要である。そしてその法人の目的を事業開発のための器にして法人の意義を今までできなかった富を生むことに置くなら、組織としてのラーニングゾーンの持続性が最重要になるか。