私的web3観

web2.0の振り返り

web2.0は革命だった、で良いと思っている派である。けっきょく何が実態なの?という人もたまにいるけど、誰もが表現できるようになったことはホームページでもできるようになっていたので、ユーザージェネレイティッドコンテンツがマネタイズできるようになったことが本質だったと思う。この場合のユーザージェネレイティッドコンテンツという言葉は、プラットフォーマーに対する広義の対義語で用いていて、個人だけでなくサードパーティの法人も含まれる。よって、只のコンテンツと呼んだ方が適切かもしれないが、web2.0っぽいのでこのままにする。個人や何も資本がないスタートアップでもネットでビジネスが成立するようになったので、エコシステムが爆発した。

 

次点として、コンテンツ量が爆発しても、フィルタリングにより人気のあるコンテンツが適切にレコメンデーションされるプラットフォームが生まれたことを挙げる。(ここでは挙げないがインフラの成長もあり)誰でも容易に利用できるのでマスアダプションが加速し、かつ大量消費が可能になったことで、供給量が増えても需要が飽和しなくなった。

 

web2.0の象徴としてgmailやmapsやwikipediaが挙げられがちだけど、この観点からは以下が主役だったということになる。

  • googleSearch(フィルタリング)/AdSense(マネタイズ)
  • ブログ(フィルタリング)/AmazonWebService(マネタイズ。現在のサービス名ではAWSよりもAmazonアソシエイトの方)
  • AppStore(フィルタリング&マネタイズ)
  • ソーシャルウェブ(フィルタリング&マネタイズ)

同時進行で、ロジックのパブリック化であるOSSと、データのパブリック化であるAPIサービスが、巨大に成長するインターネットを支え、加速させた。googleはアカデミアやOSSweb標準をサポートする「Openの守護神」となり、ビジネス上では鉄壁の参入障壁とネットワーク効果を築き上げたと思われていたMicrosoft/Oracle時代を前時代のものとした。

 

上記に挙げた4つは現在のGAFA(BIG4)で、web2.0の最終勝者たちであると言える。彼らは沢山の個人に名誉や金をもたらし資本がないスタートアップを誕生させることに貢献している。エンドサービス開発者視点になるが、今のwebはgooglefacebookMicrosoftamazonが提供するソフトウェアやインフラがなければショボいものしか作れない。もしくは一社単独ですべてを自給自足に作れる大組織を作る必要がある。彼らは彼らでUNIX文化に育まれたOSS(ここでいうOSSとは単機能で他と組み合わせて動く前提の小さいライブラリ群のこと)を土台にエンドサービス開発者向けの言語や基盤やフレームワークなどを作っているので、法人と個人が交互にサンドイッチ構造なんだけど、Microsoft/Oracle時代まではアカデミアと研究所だけで横に広がらない2者間関係だったのに比べれば、遥かに複雑で多数の人が参加した縦横に無尽な生態系が広がっている。

 

web2.0が残した課題

しかし、2010年代も終わろうとする今日ではweb2.0の最終覇者となったGAFA(BIG4)の問題点も指摘される。 一言で言えば、勝者総取りへの問題指摘ということになるだろうが、全ての議論を網羅的にまとめるつもりも能力もないので、著者自身の関心事項でいくと、ユーザージェネレイティッドコンテンツに焦点を当てる。確かにリッチで膨大なコンテンツが産まれているけど、そのコンテンツ内容がほんとうに豊かなものになっているだろうか、いや、プラットフォーマーアルゴリズムと人間の怠惰に流れる本能が掛け算となって帰結するコンテンツの質の低下となってるんじゃないのかという点を挙げる。

  • コンテンツの画一化
  • コンテンツの動物化
  • コンテンツの粗悪乱造

コンテンツの画一化とは、同じフォーマットで作られることである。

コンテンツの動物化とは、短くぱっと見でわかることや扇情的なことである。

コンテンツの粗悪乱造とは、コピーして作られることである。

具体例は、上記をMECEにして分類することは難しいので雑に並べると、ガチャゲー、まとめサイト、キュレーションメディア、1分動画、盗作・盗用、ステルスマーケティング、炎上商法、フェイクニュースといったものである。APIサービスやプラットフォームによるデータの可視化が充実したことで人気のコンテンツがわかり、またプラットフォーマーアルゴリズムをハックすることにより露出を増やせる方程式になったので、コンテンツの内容が引き摺られるようになった。

 

しかし、ここまで書いて読み返して、ふと気が付いた。これらは直接的な問題なのだろうか?もし、直接的な問題なら解決方法は、インセンティブを変え、評価式を変え、コンテンツの生成内容をコントロールしようという話になる。一理あるとは思うんだけど、そこは主目的ではなく、もっと別の主目的がありそのプラットフォームを作ったら結果として付いてくる変化なのではないだろうか。コンテンツの質を誰がどう評価するのだろう?それはトップダウンに「こういうコンテンツが望ましい」とモデルを作ることなのだろうか?最終的にweb2.0の勝者となったGAFAが4種類の理想モデルを実現して、そこに不満があるのでじゃあ5つ目のモデルを作りましょうかという話だ。

 

それも一理あるとは思うんだけど、それが筋悪って話ではないんだけど、web3.0っていうほどメカニズムが変わる話には思えない。ここで書く行為によって思考整理しようと思った直観はそういうものではない。とはいえ、web3.0は信用の時代だという話もするつもりがない。google検索でweb3.0を表示するとそういう話になるんだけど、これは自分の理解不足という視点もあるのだけど、どれを読んでもあんまりピンと来ていないから「私的web3観」というタイトルにしている。

 

インターネットが強い力を持つのは、リアルでやるより遥かに短時間で低費用で大量にできるからだ。リアルではできない新しい空間を生じさせるとも考えたが、仮想空間は紙や映像で表現していたことをやっぱり短時間で低費用で大量に拡張できるから産まれる、となるので辞めた。

 

こいつが真価を発揮するケースは、一つ一つは塵でも短時間に低費用で大量に集められることで巨大な価値を生み出せることだ。google検索は、個人個人が自分のためにホームページに貼っていたハイパーリンクを短時間に低費用で大量に集めて巨大な価値を産み出したものだった。というか、上記で挙げた4つのweb2.0の最終勝者モデルは全てそうである。

 

では何がweb2.0の課題なのかというと、別に特に無い気もしてきた。あくまで、ユーザージェネレイティッドコンテンツに焦点を当てた場合である。web2.0に何か問題があるからweb3.0という解決策を考えたと言うよりも、今はまだ出来てなくてそれが出来たら「楽しい・便利・すごい」ってのがあるから、web2.0からweb3.0に進むって方が良さそう。web1.0からweb2.0への進化はそういうエンジンだったと思うし。強いて言うなら、「今できないということが解くべき問題となる」になるだろうか。

 

私的web3観 

一つ一つは塵でも短時間に低費用で大量に集められることで巨大な価値を生み出せることが、インターネットの最大の強みだと挙げた。

これを書籍「ウェブ進化論」に倣って、「 (≒無限大)×(≒ゼロ)」とする。無限大とは塵のことであり、ゼロとは短時間に低費用で大量に集められることを指している。

web2.0の最終結果を振り返り改めてそれぞれの勝者モデルを眺め直してみると、(≒無限大)×(≒ゼロ)を行うことだけを考えると、あっても無くても良さそうなことが4つ挙げられる。

  • 特定の主体者が登録審査しあるコンテンツの生成方法を作る
  • 特定の主体者が何らかの原資を集める
  • 特定の主体者が評価機構を用意する
  • 特定の主体者が原資の再分配を行う

どれもそれぞれの効用があり、人によってはこれらの実現方法を発見し作り上げたからこそweb2.0の勝者が産まれた、とするだろう。私もそうだと思う。5つ目の理想モデルの構築にターゲットするならば、これらの要件に対して今とは違う別の答えを用意することだ。

でも、根底のメカニズムが変わるところまで掘り下げるのならば、(≒無限大)×(≒ゼロ)を起こすためにもっとも最低限の必要要件だけに絞って上記をちょっと書き換えてみる。

  • まだ塵のままである塵、あるいは誕生すらしていない塵
  • 塵の集積メカニズム
  • 塵の評価メカニズム
  • 富の再分配メカニズム

初めの羅列に比べて視点を実行者から対象物に置き換えてみた。なぜヒトからモノに視点を置き変えたかというと、「自動化」がweb2.0からweb3.0への進化の中心核になると考えたからだ。初めの羅列でわざわざ「特定の主体者」と羅列していたのはこのためであり、わざわざ「あっても無くてもいい」と修飾した修飾子が係っていた対象である。一番目の要件と二番目の要件はガラッと変わっているので補足する。一つ目は、ブログにしろYouTubeにしろtwitterにしろTikTokにしろ、そのサービスにアップするコンテンツの生成方法に何かの発明を加えたことが肝の一つだと思うが、(≒無限大)×(≒ゼロ)の観点から本当に重要なことは、まだ散在したままの塵に着目して集積するメカニズムを構築したことや、まだ存在していなかった新しい塵の生成に成功したことだと思うからだ。二つ目は、広告費や手数料や有料会員費といったお金を集める仕組み作りが重要だったわけだが、暗号資産(programmable money)のようにそのメカニズム内から原資を産み出す仕組みが考案され始めているため、焦点を塵の集積方法にズラした。

 

映画「マトリックス」で表現されていた全てがコードで出来上がっている世界というのは非常にインスパイアされるサイエンスフィクションな訳だけど、インターネットだけで完結するユーザージェネレイティッドコンテンツであれば、そろそろもう少し頑張れば自動執行されるメカニズムが主体者になったサービスが可能なようになるかもしれない。

 

自動執行されるメカニズムが主役となり、一つ一つの塵を集めて巨大な価値にして評価して再分配することができたら、それはweb3.0だと言っていい大きなメカニズムの変化ではないだろうか。それが起きた時にあっても無くてもいいことで挙げた特定の主体者が無くなっているのなら、それは信用の時代ではなく、信用が要らない時代である。ここまで整理を進めてきて、ようやくweb3.0が噛み砕けてきたぞという体内感覚が生まれてきた。

 

できればコンテンツの生成はそのメカニズムが統制するものではなく、どんなコンテンツが望ましいとかは気にしなくていい話にできるといい。公共良俗や法に反したコンテンツをどうする?爆発するコンテンツをどうフィルタリングしてレコメンデーションする?富の分配はどう評価して配分量を決める?たとえ原資をメカニズム内から産み出すことに成功しても、やはり集積、評価、再分配の過程では何かしらの基準を作る必要は出てくる。しかし、少なくとも発生地点では放っておけると良いと考えている。なぜなら、こんなコンテンツが良いですという統制が入らないから多種多様で無限大のロングテールが生まれる多種多様で無限大のロングテールは、あらゆる発想の存在を許容し新しい創発を産む肥沃な土壌であると考えている。本来のwebは、一つ一つは塵である多種多様なコンテンツが自由に存在できる空間だ。発生には何も制限をかけずに、その後の工程で対処ができるようにするための鍵になるので、二つ目の要件を塵の集積メカニズムに変えたのだ。

 

今回はここまででガス欠。ウェブ進化論で提示されていることはまだ途上であり色褪せていないということまで整理できました。

 

合わせて読みたい

 本稿のバックボーン

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

 

ウェブ進化論を再読しようとなったきっかけ。下書きで止まっていた本稿にもう一度取り組むきっかけになりました(ただし、本稿では直接的にこの内容には踏み込んでいない)

What is Blockchain?ということにあたり一番勉強させていただいているアカウント

もともとは本稿の一節だった前稿の方が強く該当するがOSSエコシステムの土壌に流れている哲学をぎゅっと学べる。曰く、「プログラムを小さく単純なものにし、他のプログラムとの結合性を高くする。そして結果としてUNIXのスケーラビリティと移植性の高さを支える」

UNIXという考え方―その設計思想と哲学

UNIXという考え方―その設計思想と哲学

 

全てがプログラムで執行されている世界を描いたサイエンスフィクション

マトリックス (字幕版)

マトリックス (字幕版)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自律分散が有用になるのはオートスケールのアトムとして動く時である

「分散」が必ずしも絶対正義でないことは明らかである。有用になるケースは、アトムレベルで分散協調できるようにすることでオートスケールが可能になる場合である。無用になるケースは、リソース拡散する建前として用いられる場合である。

 

言い換えると、後から部品を追加しても支障なく全体を協調拡大できるようにするものだとプラス、既存の塊を砕いて拡散させるだけのものだとマイナス。

 

インターネットのネットワークやUNIX哲学、さらには仮想サーバのように、アトムで自律分散の仕組みができると、後から部品を追加していっても全体が協調拡大できるシステムを作れる。人間が手動でやるよりもコストやリードタイムが下がり、労働集約から資本集約に変化し、天井無しの成長曲線が理論的に可能になりうる。また、特定の主体者への依存が下がることで第3者が参加しやすくなり、集合知の醸成や新しい生態系に進化しやすくなる。

 

このケースが有用であることに異論はそんなに無いと思っていて、問題は自律分散をどう実現するかというhowの話が主体。本題は、無用になるケースである。

 

無償コミュニティで見られるように、コンフリクトを避け個人のエゴを通すための建前に「分散」というものが用いられると、社会を形成する前の有史以前に逆行するようなものである。ブロックチェーンVRがその一面として示唆している分断社会のディストピア面は、一見すると個を強めてるように見えるんだけど、個人のエゴを取って集団の協力を捨てている姿である。サピエンス全史/ホモデウスで述べられている人間が他の生物と決定的に異なっている「共同主観」を退潮させるものである。それはつまるところ全体を足し算するとGDPがマイナスになるのでディストピアであるという経済学的証明の命題にもなる。

 

しかし、既に経済的なGDPで測ることが絶対正義であるという前提が崩れているし、経済的にはAIがGDPを支えることが前提になっている。分断社会を推進する前提となるものは、個人の幸福度指数のようなものを持ち出して、同じ価値観や趣味のもの同士が集まり見たい世界を見れると、脳波を計測したら幸福度指数が最大化しているということである。つまり一つ一つのアトムの大きさが拡大するので全体を足し算したら大きくなるだろうという仮説が存在している。

 

 

どちらが正しいのだろうか?確かなことは、どちらも前半に挙げた自律分散型になっていないということである。自律分散のために欠けているパーツは、分裂したアトムをどう再び協調させるかという論点である。サイファーパンクやコロニーは、ここだけにフォーカスしている。

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これは、「分散」ではなく「分解」だ。自律分散が有用になるのはオートスケールのアトムとして動く時なので、次の段階としてアトム同士の協調が重要になる。

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塊を砕くと、砕いた直後はマイナスであり、協調する方法ができたときに自律分散が動き出しプラスになる。

 

bitcoinは、bitcoinの「中」だけで見ると自律分散の仕組みが作れたが、bitcoinの「外」まで範囲に取ると砕くだけのものである。cryptoLawの議論は協調するための議論だし、interoperabilityやDEXは、まさに一度拡散したものを再び協調する論点なので、重要だなと思った。(日記)

[翻訳] Magicverseは倫理的な基盤を持つ ~Magic Leap CEO Rony Abovitzのインタビュー ~

この記事は、VentureBeatの記事「Magic Leap CEO Rony Abovitz interview — The Magicverse will have an ethical foundationを翻訳したものです。記者のDEAN TAKAHASHI氏より翻訳の了解いただき、私の責任で翻訳させていただきました。ありがとうございます。

 

先に言っておきますが、抽象的な例示が多い上に口語体で文法が崩れているため、難解です苦笑

 

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Magic LeapのCEOであるRony Abovitz氏は、ARグラスのユーザーとMagicverseプラットフォームの大きな基盤を構築しなければなりません。その基盤が将来的に私たちの共有現実を創り出すでしょう。しかし、彼は強い意思をもってテクノロジーのための倫理的な基盤を作成したいと考えているようです。それを「emergent system of systems」(システム間の緊急システム)と呼びます。

 

VentureBeatとの独占インタビューで、Abovitz氏は彼の会社のARグラス「Magic Leap One」を通してアクセスするMagicverseを造るためにいくつかのパートナーと協力していると明かしました。

 

Magicverseとは、マトリックスメタバース、オアシスなど、サイバースペースの未来を描く多くのサイエンスフィクションに登場するユートピアディストピアのポジティブバージョンとなるAbovitz氏のビジョンです。AT&Tマイアミ大学、およびバルセロナで開催されるMobile World Congressイベントで今週発表されたもう1社とのパートナーシップは、Abovitz氏によると、Magic Leapの空間コンピューティング技術を利用して、物理的およびデジタル的な場所を構築するために複数企業との長年にわたるクロスプラットフォームの取り組みが行われていることの表れです。Abovitz氏は、これらのパートナーとの提携によりMagicverseが現実のものになると言います。

 

Mobile World Congressのイベントで、ライバルのMicrosoftはMRヘッドセット「HoloLens 2」を発表し、SK TelecomはMagic Leapのヘッドセットを韓国で販売すると発表しました。CNNはMagic Leapのニュースアプリも立ち上げました。

 

そして木曜日に、Magic Leapは、インディーズ開発を促進することを目的とした、Magic Leapインディペンデントクリエイタープログラムへの最初の助成金の受賞者31人を発表しました。

 

この計画は非常に野心的なものであるため、Magic Leapの24億ドル(約2,700億円)の調達資金は、タスクを遂行するためには少なすぎるように見えます。私たちは、5GネットワークがどのようにMagicverseの道を切り開くことができるかについて興味深い会話を交わしました。しかし、他のことも起こらなければなりません。悪事のためにそれを使わないと人々が合意することのような。

 

以下が私たちのインタビューの編集記録です。

 

VentureBeat:Magicverseと、これから発表されるブログ投稿の意図についてもっと教えてください。 今ブログを投稿する理由やそれについての文脈はどのようなものですか?何を乗り越えようとしていますか?

 

Rony Abovitz:昨年のLeapカンファレンスや、2018年から今年の初めにかけてさまざまなイベントで、私たちはそのアイデアを推敲し始めました。私たちは、マイアミ大学との最初の提携を発表しました。マイアミ大学は、複数年にわたるプロジェクトで最初のMagicverseキャンパスになります。私たちはまた、AT&T United Statesを発表しました。これは、米国でMagicverseを構築するためのフレームワークとなる、当社の最初の主要な電話会社との提携です。次のインターネットとしてご覧ください。

 

あなたが考古学者になって文明層を見れば、現在のインターネットと物事のあり方、つまりデバイスのことですが、それらがほとんど堆積物のように確立された層となっている様を見ることになるでしょう。その上に新しいものごと、新しい文明が構築されることになります。私たちは、アメリカや世界中で5Gのパートナーシップを作っています。年間を通してそのいくつかが発表され、来週また重要な数が発表されるでしょう。これは、私たちが今何をしているのか、そしてその理由、その歴史の背後にある考え方をはっきり述べておきたいと思ったきっかけの1つです。

 

私たちは倫理感と境界条件の概念を提起しています。これは単なる技術的な問題ではありません。あなたは社会的規範を正しくしなければなりません。過去を振り返ってみると、現在のインターネット会社の中には、軌道から外れている会社があります。あなたはそこから学び、開かれた透明な方法で正しい方向へ進みたいはずです。

 

また、起源について少し話します。これはMagic Leapの由来となるものです。クリエイティブ戦略の責任者であるJohn Gaeta、取締役の一人であるRichard Taylor、そして私は、60年代から未完成のWalt Disneyのプロジェクトについて話していました。彼は、終わりのないイノベーションサイクルとなるであろう、継続的なプロトタイプコミュニティである都市というものを空想しました。あなたは、この永遠に変化し続けるイノベーションの青写真の中に住みたいでしょう。彼は数ヶ月後に死亡しました。それから、Disneyの意思を引き継いだもの達がEpcotを作りましたが、disneyが本当にやりたかったものからは変質しています。Epcotはそれらの未完成の考えの1つにすぎません。

 

世界がどこに向かっているのか、空間コンピューティングがどこに行くのか、そして5Gの登場を見てみると、Disneyの考えを取り上げて、Disneyの考えを現代化し、Disneyの考えをグローバルにする機会が見えてきます。機能的にこなすべき日常業務があるとはいえ、機能についてだけ取り組みたくありません。しかし、幸いなことに、私たちの会社がなんのためにあるかの大部分を占めていることに、日常生活を注ぎ込めているという、不思議な魔法も起こっています。

 

大企業の中には、競合するビジョンを持つ人もいるでしょう。それは非常に高機能であるかもしれないし、あるいはより先鋭的にディストピアな思想かもしれません。私たちは自分たちのビジョンを、よりポジティブな展望で、よりオープンで透明で分権的な展望のうちの1つにしたいと考えています。都市とそこに住んでいる人々は、天然資源としてデジタル情報を所有しています。悪用されるのではなく、その特定のコミュニティに利益をもたらすために。これらのコミュニティがどのように結びつき、それが経済的な増幅器になるか。そしてある意味では偉大な人から教えを取り上げるようにしてください。ソビエト/アメリカ合衆国の核戦争への不安を持っていた時代。しかし、その60年代に、このようなユートピア的な思想に向けた大きな推進力がありました。月に行きましょう。これらすべてを構築しましょう。人々はディズニーのように未来の素晴らしい都市を建設しようと考えていました。

 

私は、今日や今の時代に暗闇と恐怖感があります。私たちは再びニクソン時代にいます。私たちは再びロシア人と戦っています。これらすべてに暗闇と恐怖感を感じます。私たちは、このことについての私たちのやろうとしていることとビジョンが、未来への前向きな展望の連なりの上に構築されることを望んでいます。数十年前だけではなく、何千年もの間、広がってきましたが、この世界の未来への前向きな糸がありました。私達のやろうとしていることがそれらの一つとして見られることを望みます。私たちは、それを築き、人々を集めるために一生懸命に働きたいと思っています。重要なパートナーを発表すると、人々は、私たちがしていることを理解し他と違うことがわかるでしょう。

 

もう1つは、Kevin Kelly氏らが、これらの一般化された抽象概念、つまりARクラウドとミラーワールドについて書いているということです。これには多くの混乱を招くような形があります。民主主義や君主制、そしてあなたが統治する方法にはさまざまな形があります。Magicverseやそれに類するものは、複雑な空間コンピューティングシステム、IoTまたはモノのインターネット、ガバナンス、都市規模のものとなります。私たちはそれがデバイスではないということを人々に見てもらいたいのです。それは、来るべき社会的技術の融合です。私たちは、私たちがどこから来ているのか、どこへ向かっているのか、何が根っこで、何が欲しいのかを人々に知ってもらいたいのです。

 

さまざまな人々が、これらにどのように参加するか意思決定しています。このオペレーティングシステムや他のオペレーティングシステムが好きだという理由だけではありません。どのような社会生活やガバナンスに参加したいのですか?オープンで分権型ですか?自分のデータを管理したいですか?それとも管理したくないですか?私はこのことに追加する権限を望みますか?それとも単に常時監視できていればいいですか?人々がこれらの決定を下すことができ、また正しい道を歩み続けることにおいて地域社会からの助けを得ることができるように、我々がこれらの基本的な人間の質問全部を早めに提起したいと思っています。それは私たちの会社が単独でやろうとすることではありません。

 

VentureBeat:それは私たちが何十年も読んで話し合ってきたメタバースマトリックスのもっと幸せなバージョンだと思います。しかし、もっともっと具体的には?

 

Abovitz:マトリックスはハッピーエンドではありませんでした(笑)。私たちは、時間と空間、そして物理的な構造の境界を本当に打ち破り始める環境へと移行するためのサービス、製品、インタラクションを可能とするために、非常に実用的な技術面での実現手段を持っています。それにはある程度の実用段階を踏む必要があります。ビジョン、それを取り巻く倫理は非常に重要ですが、これらの技術的な実現手段を用いて、私たちが実際に日常生活を変えることができることは信じられないほどに重要です。

 

医師の訪問のような日常的な活動を例にしましょう。ハーバード大学の優秀な医師の訪問を民主化することができます。このフォーマットでは、ほんのわずかのコストで、より多くの人々が利用できるものを作成できるということです。今日のシンインターネットを通じたテレワーキングを超えて、自分自身との共演が可能になるという物理的な労働者のアイデアを例にしましょう。私たちがMagicverseと呼ぶこの空間の宇宙の中では、人間の存在としてより完全で頑強な方法で、あなたはシカゴで目覚め、メキシコシティーへ移動し、ロンドンに行き、ベルリンに行き、そしてIoTと自動化を通して世界に働きかけます。私たちが私たちのシステムを通して共存することを見せ始めているように、あなたはただデジタル物体としてそこにいるだけではありません。あなたは世界に働きかけ、ものごとを行い、実際に存在し、これらの能力を持って行動することができるでしょう。

 

働くためにある場所からある場所へと移動する人々は、彼らの才能を世界中に送ることができるでしょう。それは経済分布を変えます。世界中でつながっているさまざまな国の5Gでつながった都市が、世界経済を変えるという考えを提起します。労働力を変え、経済的分布を変えるでしょう。正しく伝えられれば、そのうちのいくつかは信じられないほど前向きなことを起こします。しかし、これをうまくやるためには、すべてのプレイヤー、私たちをはるかに超えたすべての関係者、つまり政府の規制、巨大な通信会社のインフラストラクチャが、正しい目的のためにこれを実行するモードにあるということが必要です。

 

VentureBeat:今日のHPのCTOとの会話から、彼らは何十年にもわたり展開すると予測している彼らのメガトレンドについて話していました。仮定の1つは、大都市の発展のようなことが起こるにつれて、不平等が拡大するということでした。2500万人以上の人々がいる非常に大きな都市がたくさん生まれるでしょう。ある意味でそれに対処するためにテクノロジーを使用できるように思えていましたが、世界が進んでいる方向では、それはほとんど止められない力であり、何十年もの間続く傾向であるのが、この不平等の拡大です。

 

Abovitz:解決策は特に無いのに、これらの問題を詳細化しようとする人たちがいます。たとえば、AIがどのように私たちを圧倒するのかなど。私たちは、もっと実用的です。あなたは実際にこれらの問題を解決することができます。あなたは我々がそれらの経済問題を解決し、そしてそれらを分解することができると言うことができる集団的な力を持てます。私たちの目標は、これらのシステムを使って、経済分布を正規化し、医療をより利用しやすくし、経済的機会をより利用しやすくし、人々のメリットに基づいてより公平に分配するための能力を拡大することです。あなたはもっと多くの人にアクセスできます。

 

あなたがそれに前向きな見方を持って、そして正しいパートナーと一緒にこれらの問題を解決するために働くならば、これらのことをひっくり返すことができます。私たちがMobile Worldの前で今これを始めている理由に、あなたは本当に釘付けになります。ディストピアユートピアという異なった声があるので、私たちはこれを続けます。私たちが解決できない問題または解決できる問題はありますか?私たちはあなたがこれらのことを解決できると信じています。私たちはそれを人間へ奉仕(service of humanity)するテクノロジーと呼びます。


VentureBeat:これは非常に複雑に思えます。あなたはこれを一緒に引っ張っていこうとして何年もの間かかりつけになりましたか?何社の企業が参加する必要がありますか?

 

Abovitz:たくさん。私たちのサプライチェーンと私たちのパートナーシップチェーンは非常に大きいです。私たちはその中で最も大きいものをいくつか発表しています。あなたが私たちがしていることをやっていて、あなたが私たちが調達している資金を調達しているとき、それはただ一つのデバイスについての活動ではありません。それは、新しい形態のコンピューティングの周りにエコロジーとコミュニティ全体を構築し、それが社会にどのように統合されるかについてなのです。

 

その好例は、AT&Tのパートナーシップです。これは多くの中で最初のものですが、広帯域幅、低レイテンシの5Gネットワークが広く普及していることが、このビジョンを実現するための大きな要因です。それを加速させます。それは複雑です。世界規模でインフラストラクチャを構築するために数千億ドルもの投資となりますが、Magicverseを実現するための多くのパートナーシップの1つです。

 

火星に入植したい人もいます。それが、彼らの未来はどこへ向かうのかというビジョンです。それらは素晴らしい技術野心です。米国と世界中でMagicverseを設立するというビジョンとゴールとして私たちが見ているのは、私たち版のビッグムーンショットです。しかし、地球上のここで、人々をより力強くし、可能にすることができます。短期的にも長期的にも。ものごとをやるために私たちが惑星を出る必要があるとは思わないでください。今持っているものを直しましょう。

 

あなたが集合的に持つことができる経験は、たとえ私たちが宇宙全体を旅したとしても、おそらく私たちができることを超えるでしょう。これにより創造的な集団宇宙を探求することができます。私はそれを内部空間(inner space)と呼びます。それは非常に強力な力です。それを通して人々をつなぐ良い方法があります。根本的な動機は、新しいインターネットの形成、つまり5Gの上にある空間インターネットです。私たちがMagicverseと呼んでいるものがそれの私たちバージョンとなり、特別な、うまくいけば社会的に良く、よりポジティブな形式になります。私たちは、それが今後10年から20年の間に経済とコンピューティングの開発において信じられないほど強力な力になるだろうと考えています。2019年、2020年、2021年と年を経るにつれ、5Gと私たちが行っていることが形となって見えてくるでしょう。

 

興味深いのは、通信会社や政府によって、その新しいインフラストラクチャの構築にすでに数千億ドルが費やされているということです。中国を含めると、おそらく1兆ドル近くになります。

 

VentureBeat:私が言及するつもりだった、あなたにとって素晴らしいことは、このことを念頭に置いていないにもかかわらず彼らがとにもかくにも5Gを構築していることです。彼らはより良い電話サービスを提供するためにそれを構築しているので、私たちが望むところならどこでも私たちのEメールを読むことができます。あなたが手に入れているのは、Magicverseのためのインフラストラクチャです。

 

Abovitz:私はまったく良いサーファーではないですが、できないとしてもビッグウェーブサーフィンが大好きです。他の人によって構築された、本当に大きな波がやってくるのです。ジャンプするのに使っているクールなサーフボードがあります。

 

質問をします。あなたは本当に電話、タブレットまたはテレビのために5Gを必要としますか?本当は必要としていません。5Gは他のもののために作られています。これらを作っているすべてのプレイヤーは、他のものを期待しています。彼らはある未来を思い描いています。彼らは私たちのような会社と話して、その将来が来ることを確認しました。レガシー製品をサポートしますが、本当は次のもの、次の10年か20年に来るもののために構築されています。

 

自動運転と空間コンピューティングを可能にする完全装備のスマートシティのようなものについて聞くでしょう。これらは、5Gネットワークにより実現するユースケースの一例です。4Gが構築されたとき、標準的な携帯電話をサポートしましたが、それは本当に私たちが今日持っている高度な電話でのビデオストリーミングやコミュニケーションの実りをもたらしました。大手インフラストラクチャー企業や政府が先を見越した先見性を見せてくれたことは、とても幸運です。

 

これらすべてが集まるタイミング、つまり、AI、センサー、そしてこの種の空間コンピューティングのタイミングですが(それは、人々が考えるものとは実際は異なります)、自分の家の中の部屋にいるVRの形をしています。これは、インフラストラクチャーの上にある、集合的で大規模で経済的なことです。それは内側と外側に建てられます。 私たちが生きている時代はおもしろい瞬間です。私たちの目標の1つは、開発者や日常の人々に、本当に素晴らしいことがやってきつつあるという意識を高めることです。あなたはそれを良いことになるように形作る一端を担うことができます。

 

 私達が可能にしようとしている未来はこのようなものです。私達はボンネットの下で働くこうとしています。ボンネットの下には膨大な量の作業、つまりプラットフォーム作業があります。シンプルに複数人での共存を可能にするために、声、ジェスチャー、および凝視の組み合わせを含むトランスモーダルインターフェースで自然なヒューマンインターフェースにより操作できるようになります。あなたは、人々がこれらの新しいデジタル環境や経験やサービスとどのようにやり取りするかについて、摩擦点となるものを除去しています。プラットフォームの観点から見れば、これは非常に大きな投資です。Magic Leapは、クリエイター、開発者、電話会社、その他あらゆるタイプの企業との提携を通じて、Magicverseを実現できるように手助けしています。

 

VentureBeat:空間コンピューティングを始めるためには、彼らを特定の方向に向ける必要がありますか?それとも、何百万もの人々がStranger Thingsを同時に見ることができるように、彼らは本質的には既にあなたが使うことができる何かを構築していますか?

 

Abovitz:私たちは、世界中の大手企業や政府によって構築されている基盤を間違いなく活用しています。しかし、彼らと深くパートナーを組むことによって、ここを含むさまざまな国で主要なパートナーを持ちつつ、データやIoTの接続性を問わず、サービスと機能を深く調整することができます。あなたは実際にどのようにローカライズしますか?さまざまな興味深い問題が、密接に連携することで、空間コンピューティングを最適化することができます。

 

だからこそ、腕の長さで行動するのではなく、パートナーシップに基づいたアプローチであることが重要です。 これらの深い協力関係により、これらの環境で空間コンピューティングをよく調整し、活気づけることができます。だからこそ、私たちはエンジニアリングとテクノロジーのレベルだけでなく、マーケティングと流通、そして認知レベルにも深く入ることにしました。

 

VentureBeat:詳細はありますか?私は、双方向通信が一方向通信よりも重要であると信じます。

 

Abovitz:ああ、そうです。超多人数双方向です。誰もが年に一度感謝祭のために集まります。家族全員が感情、視線、およびボディランゲージを共有する同じ空間に集まります。毎日、いつでも好きな場所でそれらの物理的な境界を打ち破る能力、それが私たちが話していることです。双方向だけではありません。それ容積です。それは共存です。いつでもどこでも。

 

興味深いのは、それらのネットワーク内で、データと計算の組み合わせ、およびプライバシーやその他のアーキテクチャ要素を取り入れることができることです。これらの一部は何十年も前から存在しており、そこで私達はネットワークが個人データをやり取りすることを信頼し、そして尊重しています。それは違う種類の人たちです。消費者や大衆との信頼関係を築いてきた、より古く、より確立された機関の中には、この世界で興味深いプレイヤーがいます。きわめて密集した大容量で大量のデータが来ているので、信頼を持って働きたいのです。そのデータについて新しい信頼の形でもって働きたいのです。私たちは新しく、そして、私たちがしていることは、とても新しくて馴染みの無いところで何かをすることに対して、すでに信頼を確立したプレイヤーと一緒に始めているということです。

 

VentureBeat:だから、これは監視社会に向かうのとは反対の方向です。監視社会では、こういうネットワークは全員を監視するシステム全体の一部です。

 

Abovitz:あなたは重要なことを提起しています。私はこの世界がどのようになるかについて複数の展望があると思います。我々がMagicverseと呼ぶものは、新しい社会についてのこれらの仮定について、前向きで、分散された、非常に人に優しい、コミュニティに優しいバージョンであるべきだというもので、我々の特徴的な展望です。私たちが協力していない世界の他の地域には他の国があります。彼らはこの世界で何をすべきかについて、非常に暗い、統制された見方をするかもしれません。

 

議論と話し合いが必要です。人々は、自分が何にサインアップしているのか、ここで何が起こっているのか、そして彼らが善のための力となる何かに取り組んでいることをどうやって知るのかを知る必要があります。私たちは非常に先を見越した、透明性のある、方針に基づく、さらには汚職や誤用の可能性についても建築家であり設計しなければなりません。それは簡単なことではありませんが、それが私たちが行っていることであり、なぜ私たちがここにいるのかということを公に述べています。

 

別の側面、つまり、その道をたどらない他の会社そしてもしかしたら他の国があるでしょう。民主主義と全体主義があるのと同じように、これらの異なる形態があるでしょう。少なくともメディアの世界には、さまざまな形態があると言ってもらいたいのです。 選ぶことのできるいくつかの異なった社会があります。そして人々はそれを知っている必要があります。テクノロジーとはこの世界が暗い方向になることを意味するものではありません。テクノロジーが使用される方法、規則、建築デザインがその社会を定義します。

 

VentureBeat:何人かの人々はこれを見て、あなたが大きく考えているのはいいことだと言うかもしれないが、明日私の手にあなたの商品をもらうことができますか?そのビジョンと実現性のバランスはどうですか?

 

Abovitz:簡潔に言うと、みなさんは実際に製品を明日手に入れることができます。私たちは一緒に縫い上げてくれる人々を持っています。私たちは開発者が構築することを奨励しています。Magic Leap Oneを使った空間コンピューティングでは、すでに多人数での交流が可能です。次の6〜9ヶ月は、基本を正しく理解するために時間を費やすべきです。あなたがその世界のために開発または構築したいのなら、ルームスケールで構築する方法を学ぶ必要があります。二人の権利を得なさい。この春と夏、そして秋と冬に、より多くの機能を可能にするツールを提供していきます。

 

現時点では、私たちは非常に多くのツールを用意しているので、平均的な開発者の作業では、機能の10〜20パーセントを活用できます。WetaのGreg Broadmoreのように、私たちの主力開発者の中には、たくさん使っているものもいます。 ucasfilmはよく使った。彼らがすることで、IoTと相互作用し、あなたはあらゆる種類の驚くべきことが起こっていることをその手に持てます。何人かの開発者はまだHello Worldにいて、ボールがテーブルの上でバウンスしています。他の人たちは、映画レベルの驚くべきことをほとんど行っています。私たちはますます多くのツールを投入し続けていて、これからも続けます。そのすべては、Magicverse開発者になるための開発者としてのスキルセットをあなたに与えるという考えにあります。

 

この都市やこの国で起こっているパートナーシップを発表するとき、それは開発者のエネルギー、構築する必要があるソフトウェアとコーディングの量と経験のための大規模な呼び出しになるでしょう。 オマーは、このような比喩を持っています。あなたが地球を周回する衛星にいるなら、これらの都市や国々がオンラインになるとき、それは世界を照らすのを見るようなものです。Magicverseのエンティティが明るみに出て繋がり始めます。

 

現時点でそのビジョンをお持ちの場合は、カリフォルニアを見ていることになります。そして、ガレージの中にML1で何かを造っている10代の若者がいます。しかし、すでに私たちは、10の異なる都市でチームが結成され、すばやくものづくりをするために、彼らが全員アバターとして一緒に働いている光景を見たことがあります。そのようなことがすべて起こっているのです。私たちはそれらの道具を提供し続けています。ツールとビジョンを共有することで、彼らはビルダーになります。

 

火星の植民地化と比較したいのであれば、最初の入植者が現れているので、彼らは3Dプリンタとエネルギー源を手に入れ、他の人たちが到着できるように温室を作り始める必要があります。今の私たちの最初の開発者コミュニティがそのようなものです。彼らは、その最初のインフラストラクチャを構築し、Magicverseを植民地化するためのツールセットを作成するパイオニアです。今から1年、それは本当に猛烈なものとなるでしょう。

 

来週のパートナーシップを含め、今年の終わりまでに、いくつかのパートナーシップを発表する予定です。これらのパートナーシップはすべて、開発者の創造力のための大きな空っぽの船になるでしょう。たくさんの日常消費者が、これらの開発者が構築するものを待ち望んでいるでしょう。Magicverseを訪れてつま先を水に浸してもかまいませんが、価値が提供された場合だけでなく、信頼が築かれ持続した場合にのみ入植者になるでしょう。

 

VentureBeat:バルセロナでは、あなたにとって興味深い会話がたくさんあるでしょう。

 

Abovitz:来週発表するグループには、Magicverseをかなり早く構築できる特質があります。そのための準備が整ったような人たちです。まだまだたくさんあります。その発表の前に、私たちが今何をしているのか、そしてその理由を述べることは重要です。 私たちはそれを続けます。私たちはそれを何度も何度も言い、説明し、他の人々をその議論に取り入れるだけです。それは多くの開放性と関与を必要とします。

 

VentureBeat:それは、最初は地域毎に空間的な方法がやってくるのを見ることになるということを示唆していますか? そして、それはすべて後で接続されますか?シンガポールがこのアイデアを本当に気に入っているとしたら、彼らは全地域をMagicverseに持ち込むことができます。それがあなたの視界に見えている機会ですか?

 

Abovitz:私は大いなる信者であるだけでなく、私たちが実際に目にしているのは、都市規模のMagicversesを登場させるということです。都市内では、最初の地区と地域、次に都市全体となります。そして、都市はつながります。これらすべての近代的な都市が一面につながっているでしょう。今後2〜5年のうちに、ヨーロッパの一部とアジアの一部だけでなく、米国の多数の州が並ぶことになるでしょう。それから、それらは相互接続したいと思うでしょう。その都市の中では、あなたは素晴らしいものを持っているでしょうが、都市が相互接続するにつれて、あなたはさらにもっと素晴らしいものを持つことになるでしょう。

 

ある程度は、カンザスからオズへのグラデーションのようなものがあります。 私たちは理解しなければならないでしょう。あなたがオズの外のカンザスに住んでいるならば、どのようにそのうちのいくつかを広げますか?5Gインフラは非常に都市指向です。全体的な技術基盤は、超高速およびエッジコンピューティングを使って現代の都市に築くことができるものについてです。これは、より多くの人々を都心部に引き込む機能として機能することになり、おそらくこれまでに他のどの機能よりも優れたものになるでしょう。しかし彼らは、テクノロジーを国内の他の地域にも移す方法を考え出すでしょう。

 

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参考文献

  • インタービューの中で触れらているAbovitz氏のブログ記事

www.magicleap.com

 

  • 去年のカンファレンスレポート。Magicverseのコンセプトが簡潔にまとめられています。

tech.mercari.com

デジタル資産の著作権

 『デジタルオブジェクトはコピーされたがっている』

去年は、漫画村が話題になっていたが、デジタル資産の著作権や所有権は、たぶんインターネットと同年齢と言っていいくらいに昔から議論されてきたし、贋作を排除するために検索エンジンDRM(degital rights managements)のようにテクノロジー面での挑戦も続いてきた。

 

書籍「インターネットの次に来るもの」でも、もちろんのようにデジタル著作物の問題を取り扱っている。インターネットを対象にしているからどこの章でも絡むといえば絡むのだが、特にフローイング、シェア、トラッキングの章あたりで大きなテーマになっているといえそう。

 

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

 

 

フローイングの章は、所有することから購読することへの変化を主題にしている。インターネットはコピーしたがっているしデジタルオブジェクトはコピーされたがっているものだと書いていて、如何にDRM的なアプローチが不毛であるかを説いている。川が高きから低きへ流れるように、自然法則を見極め自然法則に沿った流れに合わせることが重要であり、その一つがサブスクリプション型サービスだと説明している。

 

web3.0という話

web3.0というのが、ブロックチェーン界隈から発生している。まだ、よくわかっていないんだけど、一言で言えば、データが企業から個人に回帰し個人をエンパワーメントすることだと思っている。インターネットのビジネスでは、データを抑えたものが収穫逓増の法則が働き富み続けるということに対して、個人情報は個人の元に帰するべきであるということが、その背景になる。

 

データが競争の源泉だという話は、2010年代になってから誰もかれもが言うようになったと記憶しているが、一方で、データを企業から取り戻そうという話は00年代からあった。www(ワールドワイドウェブ)を提唱したバーナーズ=リーは、2000年を超えてからずっと特定の企業がインターネットを支配している現状に異を唱えデータをパブリックへ解放せよと言っていたりする。2009年にTEDで講演したものが今でも残っているし、検索すれば00年代の発言がぞろぞろ出てくる。彼が提唱している分散WEBを具現化するべく、数年前にはSOLIDという規格がgithubにローンチされていて、去年はついにそのSOLIDの実証試験が始まった。

 

www.ted.com 2009年の「THE NEXT WEB」講演

 

SOLIDの主題は、プライバシーの保護となるが、そのためのアクセスコントロールやデータ互換の仕組みが、デジタル資産の著作物管理にも繋がるので、デジタル資産の著作権という観点もテーマになっている。

 

完全に余談だが、バーナーズ=リーという人は、wwwを打ち立て今でもW3Cというweb標準機構の会長を務めている、誰もが認めるインターネットの立役者だ。一方で、現在のweb世界の中心からは窓際族みたいに扱われていることは、少しweb標準というものに詳しい人なら常識的と言ってもいいと思う。web標準の仕様策定は、実質的にWHATWGというブラウザベンダーが主体となるところで討議され、W3Cは規格を発行しているだけの名誉機関みたいな状況が続いてきた。

 

理由はいろいろあるだろうが(ブラウザベンダーたちの利害と完全に対立するものだからとか)、私は、単純に2000年を超えてからのwebというものは、大容量・高速化・高機能が焦点になり、狭くて深い専門家たちの活躍するフェーズへと移り変わったからだと考えている。すでに、大枠の構想は90年代にだいたい出揃い、00年代を超えてからはどう現実を引き上げるかが焦点になった。例えば、光回線敷設のようなインフラ、MapReduceのようなアルゴリズムAjaxのような技術仕様とかの実現手段の提示がスターダムになったわけだ。バーナーズ=リーのように、今はまだできないものだけどこんな仕組みがあったらどうだろうと未来を夢想する人たちの役目は90年代に終えた。 

 

ブロックチェーン著作権者を刻む

ブロックチェーンは、web3.0という話も出てくるが、基本的に90年代のインターネットみたいな状況ともよくアナロジーされている。それなりに技術の積み重ねも行われているが、社会実装という観点にたてば、ほとんどまだ何も成し得ていない状況であるとも言える。そこには、たくさんの夢想家たちがいて、まだ実現できていないけど将来的にはこんなことができるようになるんじゃないかと提唱し、それを別の人たちが反証するといったようなことが繰り返されている。

 

先週末にあるコミットをした。わずか+21行/-7行の小さいコミットだ。

 

f:id:t2wave:20190224202209p:plain

 

ブロックチェーンに、NFT(Non Fungible Token)というパターンがある。NFTは代替不可な資産を扱うものであり、現実世界の絵画や不動産などの資産を表現することもあれば、ゲームのキャラクターのようなデジタル世界の資産を扱うことに最適なパターンと言われている。コミットメッセージの「record address of author」とは、そのNFTの属性情報にauthorAddressというフィールドを一つ追加したものである。

 

struct TokenMeta {
    string name;
    string description;
    string assetUrl;
    address authorAddress; // ← New!
}

 

ethereumのsolidityという言語を使っていて、authorAddressをaddress型という値型で定義している。address型の実体はbytes20となるが、セットされる値がethereumのaddress形式に従っているかどうかをバリデートしてくれる。こうすることで、ブロックチェーン上に流通するNFTに、著作者のアドレス情報が刻まれる。

 

しかし、これは本当にチープでシンプルで小さい話である。たった1行でできるのは素晴らしいが、あくまでデジタル資産の属性情報の記録である。ブロックチェーンにデジタル資産そのものを保管しているわけではないので、デジタル資産そのもののコピーや改竄防止には何も作用しない。もちろんアクセスコントロールも対象外である。そもそもこの属性情報だって書き換えようと思えば書き換えられる(そのようにスマートコントラクトを作れば)。

 

できることと言えば、書籍がISBNというデータベースに出版者を記録しているように、ブロックチェーンに問い合わせればデジタル資産の著作者がわかるようになること、アドレスが刻まれているため取引発生時に利益再分配するなどの自動執行が可能になるといったことだ。

 

取引利益の再分配といってもザルなもので、トークンの取引は0ETHで行い、別の取引でETHなどの代金を送るようにすれば、スマートコントラクトの利益再分配ロジックは無力化される。NFT同士を物々交換するようなことも始まっている。わざわざ利益再分配という名の手数料引きを許容するなんて、お布施みたいな気持ちがないと成り立たないだろう。

 

それでも、たった1行で、デジタル資産の著作者を刻めることには、可能性を感じる。これはethereumなので、いったん野に放てば、半永久的にデータは存在し続ける。デジタル資産も、IPFSに置けば同じような話になってくる。サービス事業者の継続とは無関係に、世界中のどこか一つの端末にデータが残っていればよいのだ。

 

例えば、今6歳の子が何かお爺ちゃんからデジタル資産をプレゼントされたとしよう。その子が宿題をしないとかなんとかでお母さんを怒らせ、お母さんがそのトークンを売り払ってしまうかもしれない(本来ブロックチェーンは個人の秘密鍵で管理されているはずだが、まあそこは6歳の子供の話ということで)。その子は、30年後仕事につき経済力を付けて忙しい毎日を送る中、ふと6歳の頃を思い出し幼い頃に手放したトークンを探す。ほぼ間違いなく、探し出すことが可能なはずだ。現在の所有者から譲渡してもらえるかは、諸々の要素があってわからないけれど。

 

デジタル資産そのもののコピーや改竄防止やアクセス権限管理も、今、暗号学をベースに各所で研究開発が進んでいるように、将来的には可能になっていくかもしれない。一方、やはり川が高きから低きへ流れるように、デジタルオブジェクトへのそれらのアプローチは自然法則に逆らった無理筋な戦いをしていることとなり、新しいテクノロジー(やはり暗号学がベースとなるかもしれないが)を背景にしてコピーできない価値を打ち立てたネットワークが常識となるのかもしれない。

 

例え、どちらに進んだとしても、ブロックチェーンに乗っかるならば、トークンとして刻まれる属性情報が全ての根底となるデータになるはずだ。それはたった1行で実現できる。そのチープでシンプルでスモールな事象から、まだ形になっていない未来をイマジネーションし仕組みを打ち立てるのは、2000年を超えてからインターネットを先に進めてきた狭くて深い専門家よりも、90年代のバーナーズ=リーのような論理を併せ持った夢想家なんだろうなと思う。

空間インターフェースのブラウザを考える


edge撤退とこれからの姿

 

edge has gone away. but it is the weakest of four kings. I hope:
want safari to follow. They became the basis under cause (refs: Tactics Ogre). chrome and firefox, each one intends more native and more evolutional, will survive and accelerate web to next stage. and new one will come...

page-typed browser will be once ported as same as now. but, in the process to spacial interface, it will disassemble. some elements which try to recompose current web (such as web components including web packaging, ES module, realm etc.) will become increasingly important.

by the way, 2D UI remains there. many input interfaces will replace to calling directly by voice AI agent and gesture including eye tracking, but many outputs will display on 2D UI. I saw such landscape at DENNOU-COIL.

 

これは、edgeが独自エンジンから撤退することを発表した時に、私がSNSに投稿した文章です。

 

BrokenEnglishだし、インターネットミームを使ってフザケて書いているため、ざっと言い直すと、「chromiumに統一されていくことは憂う話ではない」と言いました。

 

なぜなら、edge撤退は、2次元ディスプレイにおける競争だからです。ユーザーインターフェース世界は、既に空間インターフェースへの移行が始まっています。ブラウザは大きな変化をするはずです。次代の挑戦権を、もっとも進化を志向してきたchromeと、もっともネイティブを打ち出してきたfirefoxが得たと言えるし、結局のところ、空間インターフェースに標準を当てた新たなブラウザが生まれることが、必然ではないでしょうか。

 

chromiumに統一されていってますが、次代の空間インターフェースにおける位置付けでは、chromiumもスタート地点に立っているだけなのです。これからリソースは、空間インターフェースの開拓へ徐々に向かっていき、その中で新たに空間インターフェースに相応しいブラウザが誕生するでしょう。

 

後半ではブラウザがどう変わるかについて私見を述べています。本記事では、ブラウザがどう変化するのかについて、もう少し詳細にこれまで見聞きし自分の頭の中に浮かんでいるイメージを文章化してみます。

 

  • 新しい概念を理解するために、大きなファクターだけを取り上げることにします。WebGL、WebComponents, WebPackaging, WebAssembly, ESModule, xxxWorkers, Realm, WebRTCといった個々の技術詳細は取り上げません。
  • 私自身は、ブラウザ開発会社に勤めた経験もありませんし、chromiumなどのブラウザのOSS開発にコントリビュートした経験もありません。よって、既にこのような開発計画が存在している等の事実は何も知らずに書いています。
  • 重要なインスピレーションの源はいくつもありますが、この記事自体は、それらをインプットに、空間インターフェースの軸から私の脳内に生まれた"繋がり"をアウトプットしているものです。例え、英語記事を探したところで、同じような話が出てくるかもしれませんし、出てこないかもしれません。
  • 要は、特にエビデンスは無く、私が勝手に妄想したことが多分に含まれています。

 

空間インターフェースの中で、これまでのブラウザ技術を基盤として、デスクトップアプリのように種々のアプリケーションを実行する姿を想像しています


本題に入る前に、これから述べることと現在のXRアプリ開発との違いを明確にするために、現在のXRアプリ開発を整理しておきます。

 

中心は、各デバイスごとのネイティブアプリです。ヘッドセットでは、Unity/Unrealによるデスクトップアプリです。DirectXなどを直接操作するネイティブ開発も行われます。スマホならARkit/ARcoreを用いて、やはりUnityまたはスマホバイスに合わせSwiftかJavaで書いたネイティブアプリとなります。

もう一つのXRアプリ開発としては、普段利用しているブラウザで、文書の代わりにWebGLを用いたVRコンテンツを埋め込みで実行するといったものになります。

 

この記事の対象はどちらでもありません。ブラウザ自身が空間インターフェースの中でどのような姿になるかという視点です。それは、これまでのブラウザ技術を基盤として、空間インターフェースの中でデスクトップアプリのように種々のアプリケーションを実行する姿となります。

 

イメージしやすい光景として、『電脳コイル』の風景を上げます。電脳コイルは、ARゴーグルが一般的になった未来世界を描いたアニメです。

 

https://img.animatetimes.com/news/visual/2011/1310525408_2_2.jpg

 

教室でクラスメートの邪魔をするために、空間にブラクラのように次々とウィンドウを発生させている場面です。どんな技術かはわかりませんが、この一つ一つがwindow.openだと、頭の中で置き換えてみてください。現在ブラウザソフトで重なって納められているタブに相当するものが、ほどけて同時に表示される姿です。これが、空間インターフェースにおけるブラウザソフトになると考えています。

 

なぜブラウザを引き継ぐのか?

空間インターフェースに、ブラウザを引き継いでいく必要があるのか?当然のことだと考える人もいるだろうし、疑問に思う人もいるかと思います。ですので、空間インターフェースにブラウザを基盤とするアプリケーション実行環境が必要である意義を、改めて考えてみましょう。

 

1.  既存のインターネット資産が膨大にある

20年以上に渡り、膨大なコンテンツがインターネットに生まれてきました。空間インターフェースになっても利用できると期待することは当然でしょう。


2. 新たに作られるコンテンツも2D的な媒体で十分なものが多いのではないか(少なくとも脳波に直接送るまでは)

空間インターフェースでは音声や映像や3Dオブジェクトの存在感が大きくなるでしょう。しかし、テキストという媒体の持つ強みって意外と大きいと思っています。同じ量の文章が音声とテキストであったとして、より速く把握したり、自分のペースで進めたり、深く理解するために何度も繰り返せるのは、テキストの方に軍ぱいが上がると考えています。外国語を学ぶとはっきりします。リスニングよりリーディングの方が取り組み易いでしょう。そして、テキスト文書の共有は、ブラウザ誕生のもっとも核となるユースケースでした。

 

3. 誰でも任意のプログラムを公開できインストールしないで実行できる自由なweb

3つ目が、私が最も重要であると考えているものです。ブラウザとは「任意のリモートプログラムをダウンロードし実行するサンドボックス」のソフトウェアです。

 

あくまで基本思想の話になりますが、どんな人が作ったどんなプログラムでも、URLアドレスを持たせれば公開できるし、URLアドレスを指定すればダウンロードして実行できます。再びあくまで基本思想の話になりますが、実行環境はセキュリティ的に隔離されており、別のURLアドレスに行けば前のURLアドレスのプログラムは破棄されます。

 

以上のようなwebの思想をまとめたSLICEという宣言を紹介します。

 

Secure - All domains are sand-boxed from each other and sites are sand-boxed away from the users machine. The user can go to any site and know they are safe.

Linkable - You can point to any page or piece of content just by sharing a URL

Indexable - Because you can link to anything, if public it can be discovered by any person or machine that can index it to make it universally discoverable to everyone.

Composable - Iframes and JavaScript allow us to quickly compose and embed new sites, apps and services just by dropping in some JS and hooking things together.

Ephemeral - There is nothing to install, you go to the page and interact with it, leave the page and when you do it stops taking up resources. 

 

(以下、意訳)

  • Secure: 全てのドメインはお互いに分け隔てられ、サイトは利用端末から隔離されている。利用者はどんなサイトにも行けるし、安全であるとわかっている。
  • Linkable: どんなページやコンテンツにもポインタして、URLをシェアすることができる
  • Indexable: どこでもリンクできるので、どんな人なり機械なりでもコンテンツを収集することができ、ユニバーサルにコンテンツを探すための索引を作ることができる
  • Composable: IframeとJavaScriptを用いれば、素早く簡単に既存のコンテンツに新しいサイト、アプリ、サービスを埋め込んで合成することができる
  • Ephemeral: インストールするものは何もない。ページに行き、何か行い、ページを離れれば、リソースを解放する 

私が考える空間インターフェースでのブラウザとは、この「任意のリモートプログラムをダウンロードし実行するサンドボックス」環境を受け継ぎ、新たな空間アプリケーションを作っていくための実行基盤となるものです。そのために、何が変わるだろうか、何を変えればいいのだろうかという視点に立ったものです。

過去の資産との互換性を保つためにブラウザを搭載するという目的にはあまり注意を向けていません。現行のヘッドセットに搭載されているブラウザで、もうできているからです。


空間インターフェースのブラウザで求められるもの

入力はガラッと変わる

既にいくつもヘッドセットが実用化されていますが、情報の入力源は、PCやスマホから大幅に変わっています。もちろん、バーチャルキーボードのように、旧来のUIを模倣したものも移植されていますが、補助的なものです。中心となるものは、ヘッドセットのセンサーを活かして、直感的かつ肉感的なものになっています。ブラウザのメニューやイベントなどの入力インターフェースも合わせて変えていく必要があります。

音声で入力される

スマホで始まった音声AIアシスタントは、空間インターフェースでこそ本領を発揮すると見込まれます。空間インターフェースは、6DoF(six degrees of freedom)と呼ばれるように、全天球的に広がっています。しかし、音声ならば、視覚で表現されるものではないため、空間の座標とは無縁でどこからでも応答可能になるからです。

ジェスチャーで入力される

既に空間に存在しているオブジェクトは、目線や手を用いて「直接」操作できます。タッチインターフェースよりも更にUIは進化して、掴んだり投げたりと肉感的になります。指の形や手順を組み合わせてパターン認識させることで、特定のメニュー操作のようなものもできます。キーボードで例えると、ショートカット/キーバインドに相当するものと言えるでしょう。

コントローラーから入力される

今の多くのヘッドセットデバイスは、物理コントローラーが中心になっています。特定の専門用途でもなければ、過渡期の一時的なものではないかと考えていますが、頭に入れておくべき要素です。

 

アウトプットはタブが解けて個別のアプリケーションになる

現在は、既存のブラウザを移植して、入力部分を調節したものとなっていますが、一時的なものだと考えています。6DoF空間に合わせて、然るべき適応が行われることが自然です。その姿は、タブの役目が無くなり同時並列的に表示されるものだと考えています。

メニューUIは一新される

現在のツールバーは無くなり、コントロールパネルは再デザインされるでしょう。一つのウィンドウとして、コンテンツ領域とセットになっている必要はあまり無いのではないかと考えています。

タブではなくてウィンドウ

本稿の中心にあるものです。現在のタブが解けて、個別のデスクトップアプリのような姿となり、同時並列的に空間に存在している姿を思い浮かべています。

6DoFに合わせたレンダリングエンジン

本稿はブラウザ自身の変化に焦点しているため、ブラウザの上で稼働するwebアプリがどのようになるかにはあまり触れませんが、windowの中でカメラやセンサーに連動した描画や3D的な立体描画する話だけでなく、6DoF空間の中でどの座標や向きでどんな範囲にどのくらいの大きさで出力するかといったコントロールも求められてきます。

 

現在から未来へ続く橋

空間インターフェースは突然変異的に生まれたものではありません。OSやデバイスの一つ一つの技術は、PCやスマホなどで培われた土壌から連続的に発展しています。これは、空間インターフェースにおけるwebも同じことです。そして、今も現在進行形で日々進歩しています。PC、スマホのwebから地続きに、空間インターフェースへと繋がっていく道があるのです。その現在から未来へ続く橋をまとめます。

chromiumはすでに分離されている

chromiumはマルチプロセスアーキテクチャーです。以下はchromiumのドキュメントから引用したものです。

 

https://www.chromium.org/_/rsrc/1220197832277/developers/design-documents/multi-process-architecture/arch.png

( https://www.chromium.org/developers/design-documents/multi-process-architecture より引用)

 

rendererプロセスに着目すると、タブごとにプロセスが分かれています。上記の図を、現在のPCインターフェースに置き換えた図を引用します。

 

https://developers.google.com/web/updates/images/inside-browser/part1/tabs.png

( https://developers.google.com/web/updates/2018/09/inside-browser-part1 より引用)

 

つまり、空間インターフェースにおいて、タブが解かれ、一つ一つのタブがデスクトップアプリとなる姿を提示しましたが、内部構造的には既に準備ができてると言えます。

 

タブアプリはネイティブアプリのように振る舞える

プロセスが分かれたタブ間のアプリケーションは互いに直接通信ができます。Iframeで用意されているpostMessageモデルは、WebWorkerの実装などによって更に世界が広がっています。例えば、Paul Kinlan氏のデモでは、サーバを通さずにブラウザアプリケーション同士が通信して呼応しています。


www.youtube.com

 

右奥はChrome Castを繋げたTVです。手前のPCからpresentationAPIを使って、TVにwebアプリを表示しています。手前のPCのブラウザでボタンを押すと、右奥のTVに出力しているアプリケーションが音を鳴らしています。異なるwindowで動いている2つのwebアプリ間で、サーバを介さずにIPC(Inter-Process Communication)で通信を行なっているデモとなります。

 

これができるということは、空間インターフェースにおいて、タブが解かれて一つ一つがデスクトップアプリとなったwebアプリは、SLICE原則に挙げられているSecureから逸脱しない範囲でなら、互いに通信し合うことが可能であるという話になってきます。

 

さらに、PWAにより、webアプリのOS統合が着々と進み、webから配布されたアプリケーションのローカル領域の生存期間が伸びています。webアプリが、他のネイティブアプリと同じように、デスクトップに存在することが可能になってきています。

 

しかし、より重要なことは、デスクトップに存在することよりも、デスクトップに存在することができるようになった延長として、ネイティブAPI連携やバックグラウンド実行の開拓が始まることだと考えています。WindowsAndroidでは、PWAのストア配布が可能になっていますが、次はネイティブAPIや決済がフォーカスされています。

ServiceWorkerのバックグラウンド実行は、あまり進んでいませんが、私が聞く限りではユースケースが無いからという話でした。後述しますが、空間インターフェースでは、座標や時間などの諸条件の変化をトリガーにしたアプリ起動が重要になってくると想像しています。

 

この手の話では、常にセキュリティが問題になりますが、Androidでは十分に考慮した上で種々の実装が進められています。Androidでwebアプリが実現できたことは、空間インターフェースでも同じように利用できるようになるはずです。

 

ヘッドレスブラウザのようにruntimeとして引き継ぎつつ、UIを作り直す

既に、プロセス制御構造はある程度準備できてるとして、描画はどうするのか?空間インターフェースでは、360度どこからでもアプリケーションを覗き込めます。アプリケーションの裏側に回ることもできるのです。現在のレンダリングエンジンから6DoFに対応した描画機構が必要になるのは必然と言えます。

 

前項のマルチプロセスを利用して、タブを一つのアプリケーションとして扱う姿は、AndroidにおけるChrome Custom Tabs、デスクトップ向けのchromeアプリなどで形になっています。これらは、webサイト側はそのままの状態で、つまり、ブラウザからのアクセスもできる状態でありつつ、クライアント側でカスタムUIで表示する形態です。

 

更に一歩踏み込んでみましょう。Androidのホームスクリーンにgoogle Searchの検索ボックスだけが搭載されています。

 

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アプリとwebを統合的に検索する機能となっており、最初のページはアプリとwebの結果が混合されています。いわば、ヘッドレスブラウザのようにバックグラウンドで通常のwebリソースを処理しつつ、UIだけをネイティブとして作り直しているようなニュアンスです。

 

実際には、あくまでAndroidアプリとして作られているだけでしょうが、なぜヘッドレスブラウザという話を持ち出しているかと言いますと、前述のPaul Kinlan氏が、2014年にHeadless Webというコンセプトで、siriの音声からこのようなUIを呼び出すということを提唱していたからです。当時のスライド資料を引用します。

 

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( https://speakerdeck.com/paulkinlan/this-is-the-web-platform から抜粋) 

 

このように、既存のブラウザをruntimeとして使いつつ、描画パートを作り変えるようなアプローチを、6DoF空間でも行えないでしょうか?

 

既にブラウザ用に作られたリソースから、6DoF空間に描画する試みは行われています。HoloLensでwebVRを実行するデモを引用します。

 

 

前述のスマホの例から、インターフェースが6DoF空間に変わり、見た目は派手になりました。しかし、ネイティブとwebの2つの世界が連続して展開されている構造は同じものです。順番こそ、スマホの例はネイティブからwebに繋げるものでしたが、HoloLensの例だとwebからネイティブに繋げるという点で、逆になっていますが。

 

このような機能は、基本的にOSや専用ブラウザに組み込まれているものですが、HoloLensではユーザー向けに解放している実験PJがあります。HoloJSというPJで、その構成を私のスライド資料から引用します。

 

f:id:t2wave:20190201143846p:plain

( https://docs.google.com/presentation/d/e/2PACX-1vSI9patM_4BxzlL_AyGQZpxjaiEPGHR1r8JSRxD74z3WXQUJINzibzS4-DcEH63CCsDCgzIRw9YivJE/pub?start=false&loop=false&delayms=3000

  より引用)

 

ブラウザ用にWebGLで作られているソースを、ブラウザからネイティブアプリへ投げ、アプリ内でWebGLからOpenGLへディスパッチして、ネイティブのレンダリングエンジンに繋げるという構造になっています。ブラウザにはあまり手を入れず、ブラウザからソースを取得して、6DoF空間で改めて描画し直すというブリッジ形式です。

 

WebXR device APIによりブラウザアプリケーションのまま6DoF空間に展開する

現在のヘッドセットにおけるブラウザから6DoF空間に展開する実装形態は、種々のアプローチがあります。しかし、ほとんどはブラウザから展開すると一つのアプリケーションとして空間を専有する形になります。没入感を高めるために故意にやっているところもあるでしょうが、複数のアプリケーションを並行実施することができません。また、基本的に片道切符となり、何らかのフィードバックをブラウザに返すことが大幅に制限されます。

 

わざわざネイティブ空間に展開せずに、ブラウザのままで6DoF空間への展開を行いたいところです。6DoF空間への描画はもちろん、カメラや音声やジェスチャーによる入力もできる形で。

 

既に、そのような目的で、WebXR Device APIの策定が始まっています。HoloLensやMagic Leapに搭載されるブラウザもそれぞれ独自に実装が行われていますが、こちらはweb標準の規格になります。

 

WebXR Device APIは、XRに必要なブラウザのセンサー入出力のハンドリングや描画のAPI仕様を定めるものです。ヘッドセットだけでなく、ARcore/ARkitなどを媒介にしたPCやスマホも対象になっていますが、スペック策定のターゲットが6DoF空間であることが冒頭に謳われています。

 

WebXR Device APIが実装されたブラウザのイメージを説明します。デバイスが、カメラ映像や音声や目線や体の動きをキャッチして、ブラウザに上げます。ブラウザのレンダリングでは、カメラが捉えたリアルワールドの映像にCG(computer graphic)を重ねられるようにレイヤーが定められ、デバイスの向きと位置を判定し、グラフィカルフレームを生成して描画します。

 

これは、ブラウザ自身が搭載するものであることが重要です。タブが解けて、空間に同時並列的に存在する各個のwebアプリは、それぞれ6DoF空間でインタラクティブに入出力ができるようになるのです。

Missing Parts

以上、いくつかの観点から、既に現在のwebから空間インターフェースへ繋がっていく橋が着々と架かりつつあることを説明してきました。しかし、現在では欠けているパーツがあります。

 

私が考える最も欠けているパーツは、起動方法をwebアプリ側で指定できることです。6DoF空間では、全天球的に描画できるスペースが広がります。 だからこそ、6DoFという訳ですが、タブが解き放たれたとしても、広大な空間でどこに設置したらいいのか?また、その大きさや形状はどう規定されるのか?

 

もちろん、トリガー側で新しく起動するwindowの大きさや位置を指定することは比較的容易です。例えば、既に起動しているwebページでwindow.openするときに、大きさや形状を指定できるように。または、PWAのように、デスクトップにインストールしてmanifestで起動方法を指定するような方法です。

 

しかし、空間インターフェースでは、音声によるAIアシスタントがUIの統合コントロール機関になっていくと想定されます。音声AIだけでなく、特定の位置や時間やその他センサーやネットワークなどからの取得情報によりトリガーされることもニーズとして出てくるでしょう。

 

そうなると、理想はwebアプリ側で起動方法を指定できることです。例えば、私たちが音声AIに対して、とあるwebアプリを要求すると、音声AIアシスタントが、webサーバにリソースを取りに行きます。そのリソースの中に起動方法が含まれているような形式です。webサーバ側は、UserAgentのような方式で、6DoF空間からのリクエストを判定して、6DoF空間用のリソースを返すような形になるでしょう。それならば、音声AIアシスタントは、取得した起動方法をもとに、タブアプリを6DoF空間に描画すればいいわけです。現在のchromiumのブラウザプロセスが、音声AIアシスタントに組み込まれた姿とも言えるでしょうか。

 

これが実現すると、6DoF空間には、個々のwebアプリをインストールしないで利用できるようになります。「任意のリモートプログラムをダウンロードし実行するサンドボックス」環境を受け継ぎ、新たな空間アプリケーションを作っていくための実行基盤としての空間インターフェースのブラウザが実現した姿だと考えます。

 

空間に解き放たれたブラウザ

冒頭に戻ります。chromiumに統一されていくことは憂う話ではなく、そのchromiumですら空間インターフェースへの移行という文脈では、スタート地点に立っているだけだと言いました。そして、空間インターフェースのブラウザの姿を述べました。そこでは、chromiumが最右翼に位置していること、私が想像していることは実現可能性が十分にあるものであることを、現在から未来へと続く橋で説明しました。では、ブラウザが本当にその姿になったら、どんな世界になるのでしょうか?

 

www.youtube.com

 

これは、空間インターフェースの未来世界をイメージして製作されたイメージビデオです。リアルワールドにCGが溶け込み、コンピューター世界との境目が無くなった姿です。FPSのアングルで進むと、様々なアプリケーションが登場します。ゲーム、メッセージング、ユーティリティツール、建物や器具に絶対座標やマーカーで備え付けられているアプリケーション。起動方法も様々です。操作者が明示的に呼び出すもの、ネットワーク側からプッシュされて呼び出されるもの、現実物体側に付随している情報から呼び出されるもの、位置情報や時間などの特定条件の変化を検知して呼び出されるもの。

 

ブラウザが空間に解き放たれると、このビデオに登場する多くのアプリケーションが、webアプリとして提供されることになると考えています。これらを事前に私たちが身に着けるデバイスにインストールしておかないといけないと考えることの方が、非現実的ではないでしょうか。一体、どれだけのアプリケーションのインストールが必要になるのでしょうか!

 

「任意のリモートプログラムをダウンロードし実行するサンドボックス」環境を受け継ぎ、新たな空間アプリケーションを作っていくための実行基盤が必要なのです。その役目は、これまで述べてきたように、空間インターフェースに解き放たれたブラウザが担うことが、これまで築いてきた技術的基盤から最も地続きに未来へ繋がっている道だと考えています。


参考文献

最後に、本稿にあたり、多きく影響を受けた参考文献を挙げておきます。

Paul Kinlan氏

最もインスピレーションを受けています。空間は対象にしていませんが(確認してる限りは)、スマホというモバイルインターフェースに対して行なっている思考やR&Dは、空間インターフェースを考えるにあたっても確実に糧になるものです。本稿でも、SLICE、HeadlessWeb、window間の通信を取り上げました。私はあまり知りませんでしたが、WebIntentをリードしていたそうです。なお、2018年6月に来日してchrome tech talk nightで登壇されていて、window間のデモを披露されていました。ハッシュタグ#chromejp でもその様子を追えます。

 

SLICEについての記事

paul.kinlan.me

  

クライアントのwindow間の通信

paul.kinlan.me

 

Helio

magic leapというヘッドデバイス専用のchromiumベースで作られているブラウザです。ヘッドセット専用のブラウザというところが重要で、空間インターフェースのブラウザの現在進行形を探る最前線にいると認識しています。webに対するアプローチとしても、spatialとかunflatといった用語が続々と登場します。2019年1月13日に東京でMagicLeapMeetupが開催されて"The Spetialized Web"(空間化されたウェブ)というセッションが行われました。

他にもFirefox Reality/chrome VRも欠かせないでしょう。それぞれヘッドセットをターゲットにして開発されています。

 

WebXR Device API

 6DoF空間をターゲットにして、カメラや音声やセンサーのインターフェース、レンダリング方式などのスペックを策定しています。

immersive-web.github.io

コンフォートゾーンから外れることと心理的安全性を高めることは融合する

去年の流行語大賞は『コンフォートゾーン』だった

もちろん、個人的な話で、世代的に通じる人ならみうらじゅんのマイブームってやつだが、そうだった。言葉自体は前から知っていたが、急速に意識するようになったのは去年だった。

 

コンフォートゾーンとは「居心地のいい場所」と訳されるが、使われ方としてはコンフォートゾーンから抜け出せというものが多い。未知の分野に飛び込め!慣れ親しんだ環境をリセットすることが飛躍的な成長の秘訣だ!みたいな。どうもこれに違和感があって、非連続の成長って言葉の響きはかっこいいけど、これまで培ったスキルや人間関係や地位を投げ捨てて1から出直すって、実際やると惨めなものじゃないかという感想がある。(自分は何度かそういうキャリアチェンジを行なっている)

 

心理的安全性がチームの生産力を高める

これは少し昔の話になるが、目から鱗の話だった。去年も盛んに取り上げられていて何度も目にしたが、初出は3年前のようだ。

 

gendai.ismedia.jp

 

要約すると、チームの生産性にもっとも寄与していたのは、行動規範でも特定のスター人材の存在でもなければ、メンバーの性格や趣味や価値観の一致でもなかった。「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安をチームのメンバーから払拭する、心理的安全性が高い状態にあるかということだった。

 

この心理的安全性が、居心地のいい場所、つまり「コンフォートゾーン」を形成し、メンバー一人一人が自己の能力を自発的に発揮し高い満足度でチームの目標達成に一体となったチームワークを生み出すという。

 

ああ、やっぱりそうなんだなという感想になった。コンフォートゾーンを飛び出すというのは、成果主義型の業績管理制度と親和性高い考え方だが、ストレスフルな環境を生み出し同僚がライバルの状態を作り出しても上手くいかないよな、と。

2018年4月7日

全くの偶然だろうが、この日にコンフォートゾーンをテーマにした二つの記事とスライドが連続で出て、その一つ一つに大きなインパクトを受けた。

 

hb.matsumoto-r.jp

 

一つ目はこちらで、プログラミングのスキル向上に対する飽くなき向上心に圧倒されたが、特に「全能感」に対する向き合い方に深い感銘を受けた。全能感はプログラミングしていると比較的に容易に得られるものだが、コンフォートゾーンから外れた状態において、如何に自身と向き合い対処するかの姿勢を学ぶことは少なかった。おそらく自分がコンフォートゾーンから外れるということに対して忌避感を抱くのは、この内面のプロセスを持たずに成果だけにフォーカスして、じゃじゃ馬を乗りこなすかのように無理やり抑えつけようとしていたからだろうなと思った。

 

 

www.slideshare.net

 

もう一つはこちらで、実際に公開されたのは次の日だったかもしれない。もしかしたら、google社内で研修プログラム化されてる部分も多いのかもしれないが、自チームの経験話だし個人考えも多分に含まれてるだろうなと思う。

 

ワナビー(こうなりたい)を掲げることを推奨していて、如何にも意識高い系の話と受け取る人もいるかもしれない。しかし、内面プロセスを詳細化していて、ステップバイステップで上がっていく方法論に落とし込まれているので、インターネットでミーム的に使われるワナビーとはものが違う。特にチームの心理的安全性を高めることとコンフォートゾーンを外れることの両者が上手く融合している。

 

両者とも、外側から無理やり抑えつけ乗りこなそうとするのではなく、内面プロセスを詳細化して取り組みやすい粒度に落とし込んでいる。これまで、心理的安全性を高めることと、コンフォートゾーンから抜け出すことを、二項対立のように考えていた節があったが、連続した流れで捉えることができた。そうなると、コンフォートゾーンから抜け出すということへの恐怖感が和らぐというものだ。コンフォートゾーンから脱却することの重要性は十二分にわかっているので。

 

ラーニングゾーン

なお、コンフォートゾーンから抜け出すことについては、フレームワーク化されていた。これは今日記事を書いていて知ったことだが、ラーニングゾーンというのがちょうど良いらしい。これはkinu氏のスライドの目標設定プロセスで、ゴール像から考えるトップダウンでありつつ、「自分の今できること+ゴール達成のために必要であるがこれから成長しないといけないこと」の掛け合わせで考えることと同じ考え方だろう。自分の今できることを上手く内包していればラーニングゾーンとなり、自分の今できることを全く無視したゴール設定で飛び出してしまうとパニックゾーンになるということだ。

 

コンフォートゾーン/ラーニングゾーン/パニックゾーンの説明については、この記事が参考になった。

 

コンフォートゾーンとは、そこから抜け出して成長する方法とは? | GLOBIS 知見録

 

海の向こうの動向についてstartupからsmall businessへのチェンジに注目している

海の向こうの動向は、自分にとってはstartup(エグジット至上主義)からsmall business(中小企業)へのギアチェンジが関心どころだ。

 

 

ここ20年ほど様々な点から賞賛されてきたシリコンバレーイズムが手のひら返しになっていることに驚く。

 

ラリーペイジやポールグレアムリーンスタートアップらの価値観や考え方は大好きだが、startupにターゲットされたラウンド制の資本政策やグロース手法は踊らされてる感というか違和感を持っていた。

 

シリコンバレーイズムに共感しているのは、手持ちが無いところからでも創意工夫や知恵次第で素晴らしい進歩を作り出せ、結果として莫大なリターンでも報われるというところである。

 

Googleのどこに共感するかは人それぞれ違うだろう。私が感歎しているところは、ハイパーリンクの仕組みに着目しランクアルゴリズムを編み出した過程や、その後もwebの進歩を進め続けている過程において、深い洞察や気づきを持ってwebの未来をリードし続けているところだ。Don't Be Evilに象徴されるように、ビジネスの世界なのに他者益になることを行い、巡り巡って自己益になる姿を示したことにも感歎する。

一方で、巨額のエグジットを成し遂げたことや、莫大な資金を駆使して世界中を手中に収めることにフォーカスしてる人たちもたくさんいるだろう。startup関連の文化でこの"結果"だけにフォーカスしてエグジットを目的化した手法が、個人的にダメだ。

 

「結果にコミット」

 

キャッチーでエネルギッシュで誰も容易に非難できない素晴らしい態度だが、どうにもこいつとの相性が良くない。結果のために誰かが敷いたレールの上を脇目も振らずに走り続けることがものすごいストレスな性分である。

 

私の場合はこれになるだろうか。

 

「創意*1にコミット」

 

目標に向かって自分の知恵や能力を最大限に発揮できてると感じられる環境が何よりも大事であり、学習や洞察により学びや気づきを得ることに興奮を覚えるからだ。

 

なので必ずしも海の向こうの殿様がおっしゃるsmall businessへのチェンジに否定ではない。自分たちなりの成果を大事に、エグジットや株価だけを目的とした内外のステークフォルダーに振り回されずに、地に足つけてやっていこうというのがsmall businessになるなら合うかもしれない。一方で、イノベーションに向けて知恵や創意工夫を振り絞ることよりも、身の回りの人と和気藹々とやっていこうといったあたりが強くなり、"結果として"視座が低くなり進歩への熱量が停滞する方向に振れるなら合わない。まだ判断材料は少なすぎる。

 

しかし、このチェンジに考えることはstartupかsmall businessかの二者択一ではない。

 

外部環境に対しつくづく感じることは、世の中には複数の並立した正解というものが同時に存在しているということである。結局startupもsmall businessもどちらも正解といえば正解なのだ。

 

トレンドを捉えることはとても大事だが、トレンドはこのようにさらっと右から左に180度変化しうる。なので、トレンドにアンテナはる一方で軸を持っていちいちこういった外部環境の変化に振り回されないこともとても大事だ。自分なりのスタイルを持ち是々非々で合うものを選択し合わないものを捨てていこうという結論で海の向こうの動向に対してはソーッと観察している。

 

 

*1:創意それまでの考え方・しきたりなどにとらわれず、物事を新しい見方でつくり出す、心の働き。