HololensはVRの延長として語るよりもインターフェースの革新として語る方が適切だ

Hololensの開発者版が日本でも発売されて、あちこちでHololensの記事を目にするようになった。

 

相変わらずVRの延長として語る向きが多いが、HololensをVRの延長でMRだとか位置付けるのは矮小化した話である。*1 なぜなら、Hololensがカバーしている利用用途の領域は、VRだけでなくPCやスマホで行われていることも含まれているからだ。

 

Hololensがおぼろげに示しているのは、次世代「インターフェース」の姿だ。

 

次世代インターフェースの姿とは、ジェスチャーや音声が入力インターフェースとなり、コンピューターからの出力が現実世界に溶け込んだ姿である。

 

 そうなると限られた専門用途を除けば、PCスマホも要らなくなっていくわけだ。

Hololensはアナログとデジタルをシームレスに統合する。

 

壁にかけた紙のカレンダーに予定を記入していたことが、PCやスマホのカレンダーアプリに入力するようになったが、Hololensならまた壁にかけたカレンダーに”入力”してもよいしスマホのように必要な時に開くこともできる。

紙の本や雑誌で読んでいたことが、電子書籍に置き換わりつつあるが、Hololensなら紙と電子書籍を並べて本棚に置いておくことも可能になっていく。

スマホで表示したマップと目の前の建物や交差点の標識を交互に見ながら目的地を目指していたことが、目の前の道路にナビを表示して目的地に行くことができる。

 

アプリやサービスは、初めはスクリーン世代(PCスマホ)の置き換え版になるんだろけど、バックエンドのAIやクラウドと合わさり、スクリーン世代から非連続なジャンプが起こるのが確実だと思っている。

 

Hololensを理解するための参考図書は、VRを対象にしたものよりも、「インターネットの次に来るもの(ケヴィン・ケリー)」のようなもっと広範にサービス革新を論じているようなものの方が適切だ。

 

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

 

 

HololensやIoTインターフェース機器側から、AIやマイクロサービスやサーバレスの掛け合わせとなるクラウドバックエンド側から、未来のサービスを現在進行形で少しづつ形に示しつつある、と。

 

まあ、Hololensのような機器がスマホを置き換えるのはまだまだ先の話であるが*2PCを置き換えはじめるのは意外と早いかもしれない(東京オリンピックは過ぎるだろうけど)。

 

もちろん現在のHololensは上記のようなことを実現するには、まだ非力だ。

 

何せまだ初代。数世代はアップデートしないと一般層には届かないし、他の新規参入が本命になるかもしれない。

VRでは、Oculusが最初のペンギンになったが、開発者用機器から一般向け発売まで3世代かかったように、2017年時点ではViveやPS VRの方が本命扱いになっているように。

 

あくまで最初のペンギンがHololensであるということだ。*3

人が使うインターフェース機器という点では、(ここまでHololensを持ち上げておきながら)なにげにAppleの製品に期待している。

*1:Microsoft自身がMRという言葉でマーケティングしているが、”モノ”にフォーカスしたメーカー視点が強く、”しくじっているマーケティング”だと思う。”モノ”にフォーカスすると確かにVRと連続する技術になる。開発環境も同じものが使える。しかし、消費者向けには”コト”から考えVRを想起しない別概念を打ち出したらいいと思う。ビルゲイツのDNAとも呼びたくなる一般ユーザー視点の欠如だ

*2:一部の役割代替ならAmazon Echoの方が早そうだ。日本でもAmazon Echo年内発売?既に業界は戦々恐々 | 湯川鶴章のテクノロジーフィクション | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

*3:「Hololensは数千台売れた。それに満足している」、Hololens販売リーダーが発言 | VR Inside